齋藤五十三
東京基督教大学 准教授:組織神学本書は美しい著作である。著者のブラッシュ氏は本書を、奥深い聖書の森を歩く時に方位を示す「コンパス」に例えている。そのように聖書の豊かな世界に分け入る中で、本書は六つの謎を解いていく。六つは、その謎解きの中で、本来「矛盾」と思われる二つずつがペアとなり、それぞれが「不思議に」結び合わされる中、本書は「大きな絵」を描いていく。その絵は、「神を知ること」と「人を知ること」が分かちがたく結びついていることを示しながら、人生を生きる私たちを励ます声となっていく。本書は、組織神学の入門書である。「組織神学は無味乾燥」とのイメージを持っている人は、それを見事に覆されるだろう。それほどに本書は読みやすく、しかも豊かで深い。読者は「神と人を知る」ことこそが、生きる勇気を与える道だと目が開かれていく。そして「人生は生きるのに値する」との読後感と共に、御言葉をもって励ます神との出会いを経験することになるだろう。
渡辺睦夫
同盟福音キリスト教会. 稲沢キリスト教会牧師心から本書を推薦する。血の通った組織神学入門である。「組織神学」と聞くだけで何か近寄りがたさを感じてしまう多くの書の中で本書は違う。内容として、神ご自身と聖書に内在する「聖さ」(イザヤ6:5)に対する恐れはあるが、様々な面で読者中心の入門書である。組織神学「入門」に惹かれ、読んで失望する類ではない。もちろん、組織神学の世界に入るためのある種の通過儀礼(多くの専門用語と緻密なロジックに慣れること)は必要であるが、著者はBig Wordsの説明を忘れず、また議論だけで先走らないように様々な工夫をしている。構造は驚くほど明快。相反しているように見える二つの聖書的神学概念が対置され(これが一対で合せて三対ある)、読者は全体を見ながら個々の議論を読むことができる。聖書的には、みことばの解釈と引用は適切で慎重。引用は多彩で、見逃せない神学的知恵が含まれる。日本文化に関わる引用もあって、著者が日本の読者の近くにいることが分かる。本書は、聖書的に「神学する」ことを教え、励ますだけでなく、「何について、どのように神学するのか」という方向づけやあり方も明らかにしている。著者が近くにいることを感じさせる組織神学の稀な入門書である。教会では、各章の最後に準備されている神学的質問を用いて、話し合い、分かち合うことができる。すでに神学しながら歩んでいる私たちを、より良く神学する教会へと導くだろう。また、毎日個人的に、帰納法的に聖書を読んでいるのなら、聖書全体から聖書を読むために本書を読まれることもすすめたい。一本一本の木を見るだけでなく、森全体を見ることも必要だから。ここに、心から本書を推薦する。
ヴォーン・ロバーツ
セント・エブス教会(英オックスフォード)主任牧師、『聖書の全体像がわかる 神の大いなる物語』 著者この度出版される、リチャード・ブラッシュの本よりも素晴らしい、キリスト教の教義の入門書を、私は知りません。この本の狙いは謙虚であり、野心的です。謙虚だと言うのは、この本が教科書のように全ての教義を網羅しようとはしていないからです。野心的だと言うのは、この本が、ガイドブックのように、キリスト教教義の世界を案内し、そこで見つかる楽しみや喜びを読者が発見できるように、進むべき方向を示してくれるからです。この本では、一見単純そうに見える、3対の相反する記述が紹介されます。これらの記述を合わせて考えていく中で、読者は聖書の教えの広大な景色を眺める手がかりを得ます。私たちは、聖書を学ぶ旅のコンパス、旅の途中で出会うであろう神秘の謎を解く鍵を得ることになるのです。聖書に根差し、知的刺激に溢れ、心を温めてくれる ― この本の目指すところ、これぞ、神学の極みです。この本は、組織神学を学ぶのは初めてという人にも、この種の旅には慣れているという人にも、素晴らしい助けとなるでしょう。行ってらっしゃい!
マイケル・ホートン
ウェストミンスター神学校(米カリフォルニア州)教授(組織神学、弁証論)この本は、説得力があり、内容が豊かです。本書は、神の知識と、私たち人間の知識の間にある結び付きを、見事に示しています。リチャード・ブラッシュは、私たちが神学の森の中で迷子にならないよう、頼りになるコンパスを与えてくれます。
マーク・トンプソン
モアカレッジ(豪シドニー)校長多くの人が組織神学に懐疑的ですが、正しく行われる時、組織神学とは、聖書を全体として、また、神の民と交わりつつ読む、鍛錬に他なりません。リチャード・ブラッシュは、まさにこのことを本書で示してくれます。この本はコンパスとなって、神の創造された世界を、神のことばに照らして生きていこうとする私たちを助けてくれるでしょう。リチャードは組織神学に精通しているので、書き方が明快です。この本を読むと、聖書の全体像が、神が私たち人間を創造し、ご自身を知らしめ、罪から救ってくださったという一連の物語であると同時に、その神ご自身と神の目的についての、首尾一貫した説明であると、理解することができます。心からお勧めします。
ドナルド・マクラウド
エジンバラ神学校(英スコットランド)教授現代的でありながら、釈義と聖書神学にしっかりと根ざしたこの本は、新鮮で刺激的で楽しく、組織神学を学んでほしい、という筆者の願いが私の心をすぐに掴みました。しかし、この本は単に組織神学のススメではありません。この本が紹介する6つの神学の鍵は、神学への入り口であると共に、聖書の教える真理の柱として、ある聖書の真理と別の真理との関係、また、それぞれの真理(または聖書本文)と聖書の啓示全体との関係を、私たちが生涯にわたって学ぶ際の案内役となってくれます。6つの鍵はよく考えて選ばれており、対(ペア)になって提示されているので、ある一方の真理にとらわれ過ぎて、もう一方の真理をなおざりにしてしまう危険性を私たちに思い起こさせてくれます。この本はきっとあなたの心を養い、伸ばしてくれます。でも、あなたの心が疲れてしまうことはないでしょう。
『自分を知り、神を知る』著者インタビュー
『自分を知り、神を知る』グループ学習ガイド(英語)
小グループのリーダーが、本書に基づく全8回の学びを進められるよう、リチャードが学習ガイドを作成しました。無料でダウンロードできます(英語、PDF)。
英語版:Knowing Me, Knowing God
Six Theological Keys to Scripture(IVP、2021年)
聖書の中で神は、ご自身についての知識と、私たち自身についての知識を与えてくださいます。この二つの絡み合う糸を通して、私たちはカルヴァンが「真にして健全な知恵」と呼んだものを受け取ることができます。この知恵を求めて、多くのクリスチャンは、創造、堕落、贖い、そして最終的な回復へと進む聖書の物語の展開に沿って、聖書を時系列に(chrono-logical)読むことを学んできました。では、聖書の主要な「登場人物」である神と人間、そして両者の関係の性質に焦点を当てる、補い合う神学的な(theo-logical)読み方についてはどうでしょうか。
リチャード・ブラッシュは、そのような読み方を示し、存在、知識、行動という三つの根本的な領域で、神と自分自身をよりよく知るための六つの神学的な鍵を紹介します。各段階で彼は、無限で、人の理解を超えた聖なる神が、有限な人間との関係において示してくださる恵み深いへりくだりを描きます。神は私たちをご自身のかたちに造り、神の知識と私たちの知識の間に釣り合いを定め、罪に打ち勝って、御子と御霊という愛の賜物を通してご自分の民を得てくださいます。
神についての広がりのある見方と、主の前での自分の召しについての新たな理解を求めておられるなら、この本を手に取り、心と魂と思いを尽くして神を愛する思いを新たにされてください。