博士論文の要約(1ページ)

博士論文(エディンバラ大学、2019年)

論文題目: Ex Humano Templo Loquitur: The Eloquent God and Holy Scripture in the Theology of John Webster(ジョン・ウェブスターの神学における、雄弁な神と聖書)

論文の全文はこちら(英語・PDF)

何を論じた論文か

英国の神学者ジョン・ウェブスター(1955〜2016年)の聖書の教理を、三つの文脈から読み解きます。第一に、彼自身の個人的・教会的・制度的な背景。第二に、近代への応答として、前近代の神学の資源を取り戻そうとする、西洋神学界での位置づけ。第三に、神と被造物の関係や啓示の理解といった、彼の神学全体の枠組みです。論文は、ウェブスターの歩みを、バルトの影響が強い「前期」と、トマス・アクィナスやスコラ神学に傾いた「後期」に分けて読むことを提案します。

ウェブスターの主張

ウェブスターにとって、聖書は、人間のものでありながら聖なる、啓示のための道具としての証言です。啓示とは、三位一体の神ご自身が救いのうちに臨在されることであり、聖書そのものと単純に同一視することはできません。啓示は、神の本質に関わるという点で直接的であり、被造物としての形をとるという点で媒介的です。したがって聖書は、その啓示が被造物の形へと適応されたものであって、啓示と同じものではありません。この見方は、神の行為と存在を聖書の理解に結びつけた、一貫した強みを持っています。

本論文の評価と提案

しかし本論文は、ウェブスターの理解には二つの不足があると論じます。一つは、神のことばと人のことばについて、三位一体論的で、有機的で、類比的な理解が十分でないことです。そのため、「神が語る」とはどういうことかをめぐる言語観に、神的な面と人間的な面の二元論が、なお残ります。もう一つは、一般啓示の確かな位置づけがないことです。

これを補うために、論文は、おもに改革派の伝統から、次の三つの修正を提案します。

  1. 一般啓示に居場所を与えること。
  2. 模写的神学(ectypal theology)の内部に、内的なものと外的なものの区別を設けること。
  3. 神、神のみことば、神の世界との関係を、有機的に捉えること。

結論

神の働きを重んじるウェブスターの強調を保ちながら、彼自身が退けようとした二元論を乗り越える道が、ここにあります。聖書は、神が語られたことばであると同時に、人間の言葉でもあります。その両方を、競合させず、矛盾させず、一つの有機的な全体として理解することを、本論文は目指しています。

この要約は、論文の内容をもとにした、リチャード・ブラッシュの論文の入門的な紹介です。詳細は、英語の全文をご覧ください。

ご登録

ブラッシュ家から毎月の祈りのニュースと近況をお届けします

クリックして登録